interview29

N.Sさん

所属 病棟

新しい家族の生活が始まる際のお手伝いをさせて貰えることにやりがいを感じます

現在のお仕事の内容を教えてください。

周産期センターでの仕事は、助産師の仕事として良くイメージされる分娩介助の他にもたくさんあります。しかし、切迫早産や子宮内胎児発育遅延など何かしらの入院している妊婦のケアのほか、出産後の褥婦さんに対しての育児技術獲得へ向けての指導や退院後の生活を踏まえての保健指導など多岐にわたります。個別性を考慮して、ひとりひとりと向き合う難しさもあり、特に最近ではメンタルケアの重要性を感じると共に力を入れていきたいなと思っています。忙しい日々ではありますが、新しい家族の生活が始まる際のお手伝いをさせて貰えることにやりがいを感じます

水戸済生会総合病院に就職しようと思ったのは?

地元の産科医療に貢献したいと思ったのがきっかけです。助産師を目指そうと思った時に、全国的に見ても茨城県の助産師数は下位だったことに大きな衝撃を受けました。そして、水戸済生会総合病院の産科は総合周産期母子医療センターであることも、大きな理由の一つです。地域のクリニックでは受け入れが難しい妊婦さんが日々紹介されてくるのが、周産期センターの大きな特徴です。地元で働くならば、茨城の産科医療の砦となるような病院で働きたいと考えました。また、私は新人としてこの病院に就職した後に、更に学びを深めたいと大学院に進学するため一度退職しましたが、再度就職先を探すタイミングで先輩方から戻ってくるのを待っているよと、声をかけてもらえたのも大きな理由です。命への責任という意味では、責任ある職場だと思いますが仲間がいるおかげで日々頑張ることができています。

入職してよかったことは何ですか

様々な背景の患者さんとの出会いと他職種の方とチームで働けることです。総合周産期母子医療センターという特徴から、ハイリスクな妊婦さんも多いですが、もちろんローリスクの妊婦さんもいらっしゃいますし、妊娠経過は問題なくても社会背景的に支援が必要な方もいれば、母体は問題なくても胎児側に深刻な問題を抱えている方もいます。

そんな様々な背景のある妊婦さんや褥婦さんに寄り添うために、最善の治療、そして看護ケアをするために産科医との連携はもちろん、新生児科、薬剤師、MSW等、ひとつのチームとなって関わります。助産師だけでは、限界があることも他職種と連携することで、それぞれの力が掛け算されます。その結果、患者さんの笑顔が見られたときや赤ちゃんを抱っこして無事退院の日を迎えた姿を見られることがとても嬉しいです。

仕事をするにあたって心がけていることは何ですか

コミュニケーションを密にとることと、当たり前にやらなければいけないことを丁寧にすることを心がけています。周産期センターでは、妊婦さんや胎児の状況から1分、1秒でも早く処置をという場面があります。そんな時はもちろん、比較的に落ち着いている状況でも、人間は思い込みからミスをするものです。緊急な時は、特に気持ちも焦っているので、そんな時こそ、自分から発信して迅速かつ確実な処置ができるようするためにコミュニケーションをしっかりとることを意識しています。また、私はどちらかというとおっちょこちょいな性格なので、何回もやったことがある手技だったとしても、流れ作業のように行うことの無いようにしています。当たり前のことではありますが、その当たり前をきちんと丁寧に積み重ねることが大切だと考えています。

お休みの日の過ごし方を教えてください。

ヨガやマッサージなど体を整える時間に使うことが多いです。ディズニーランドに行くことやミュージカルや演奏会などの生の舞台を見に行くことも大好きですが、コロナ禍になってからはなかなか難しいなと感じているので、早く安心して楽しめるようになって欲しいなと思っています。

これからの目標としていきたいことは何でしょうか

私が、新人として就職した時よりも妊娠や出産、女性の生き方が多様化してきています。それに合わせて、助産師も分娩介助ができるだけではなく女性の心身の健康を守る伴奏者として柔軟に対応していかなくてはならないと思っています。特に近年はワンオペという言葉が使われるようになったり、男性の育休取得が話題となり夫婦で育児することに重きがおかれる時代になったように感じています。

そのなかでも、誰にもたよれず、限界まで頑張ってしまうお母さんが多いように感じています。出産後、数日で退院するお母さんたちと関わる時間は短いですが、その時間を大切に関わり、退院後に育児に追われ、辛くて涙を流し孤独を感じるようなことが無いように寄り添ったケアができる助産師になりたいと思っています。